プロダクトエンジニアの役割は

PM(プロダクトマネージャ)という言葉が、web界隈では流行っている。 及川卓也さんなんかがよく登壇したり記事になったりしているけど、色々読んでいった結果、「プロダクト品質、つまりユーザに提供する価値を決められる人」ではないかと思う。

自分は今社内で「プロダクトエンジニア」なんて呼ばれることが増えてきた。 エンジニア出身でプロダクトマネージャに近いところで仕事をする人、UXを考えられる人、という認識だろう。

人がエンジニアになる理由はいくつかに大別されるケースが多いと思う。技術が好き、人と話したくない、などなど。その中で言うと自分は「ものを作るのが好き」系のエンジニアだ。 なので、そのような素養をもっているとか、そのように行動していると言われるのはまんざらではないし、結構嬉しい。

プロダクトエンジニアの立ち位置

さて、プロダクトエンジニアとはどういうものだろう? PMとはちょっと違いそうだ。

PMは出身による違いが生まれる。エンジニア出身なら技術に造形が深く、ディレクタ出身ならまた違う能力が強めになるだろうし、デザイナ出身のケースもあるだろう。

つまり主にエンジニアリング側に寄ってそうだ。

軸を変えて、プロダクトエンジニアはエンジニアのキャリアパスの中ではどういう立ち位置か? エンジニアのキャリアパスは大きく3つあると思う。 1つ目は技術を極める人、2つ目はマネージメント能力を伸ばす人。3つ目はそれ以外の能力を伸ばす人。 プロダクトエンジニアは3つ目に該当する。

上記の点から、プロダクトエンジニアは以下の点をバリューにしやすい。

  • 多職種出身PMと違い、エンジニアとしての能力や知識でリードできる
  • 多系統エンジニアと違い、UX分野でリードできる

つまりエンジニアとPMのちょうど中間点にいる。これが強みだ。

プロダクトエンジニアの役割は

技術力は高いがそれをサービスに結び付けられないエンジニアと、サービスを考えることは出来るが、どんなことが今の技術で出来るのか想像もできない人を結びつけること。 これがこのポジションでは出来る。

自分がナチュラルにプロダクトエンジニア的なポジションにいたので気が付きにくかったが、技術ができない人はそもそもどんな技術があるのかすら知らない。

例えばエンジニアが火を使えても、エンジニア以外は火の存在を知らないか、存在を知っていても火がどんなものか知らない。 エンジニアは火を使えるけど、火がどんな価値を人々に与えるかを知らない、または説明できない。 こういうことが、多い。

つまり、プロダクトエンジニアの強みは「火をおこすことは出来ない。しかし火の効能を知っており、役に立てる方法を考えられる」ことだ。 エンジニア以外出身のPMは「火を使わずに寒さを凌ぐ方法を探す」が、エンジニア出身なら「火が寒さを打ち消せる」ことを知っている。 技術特化のエンジニアは「火を起こせるがその使い方は分からない」

今なら機械学習をサービスに活かす方法を考えられると言ったところか。

まとめ

正直な話、自分は技術もマネージメントも不得意な中途半端なポジションだと思っていたが、サービスを作れる能力は普遍的なものではなかった。 だれもが技術をサービスに繋げることはできないのだ。

同じように自分にできないことはいっぱいある。 例えば技術をユーザ価値に結びつけることは出来ても、それを収益化まで持っていくはビジネスサイドの人間が強いし、自分が知らない最先端の技術をキャッチアップするのは技術サイドがより強い。

PMがもてはやされたりしてはいるが、結局一人では何も出来ない。向き不向きはあるのだから、自分の強み弱み、チームメンバーの強み弱みをちゃんと理解して成長すれば、それが自分の役割になるのではないか。

という感じで締めにしたい。